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1.ピアレビュー委員会の設置
ICCAの下、日米欧で行われるLRIは、化学産業界の自主研究ということもあり、公正・中立に、かつ、透明性をもってオープンに実施されることが重要です。特に、応募研究の選定は誰の目にも公平でなくてはならず、内密に行われることがあってはなりません。さらに実施される研究は、科学的に高い水準にある優れた研究であることが望ましく、その成果は結果の如何に拘わらず、例え化学産業界にとって望ましくないデータであっても公表され、客観的な評価を受ける必要があります。
日本化学工業協会(日化協)では、LRI実施に伴うこれらの条件を満たすと同時に、化学産業界以外の考え方・意見をLRIに広く取り入れるために、化学産業界以外の有識者9名からなるピアレビュー委員会をLRI戦略・調整ワーキンググループ(LSC)内に設置しました。委員会のメンバーは大学教授(6名)、名誉教授(1名)、助教授(1名)、新聞編集委員(1名)となっており、中でも、ジャーナリストの方を異色のメンバーとして迎えたことは日化協ピアレビュー委員会の最大の特色で、外部の率直な考えを反映して頂けるものと期待されています。また、この委員会の委員長には小野先生(大学評価・学位授与機構教授)にお願いすることになりました。委員の任期は、原則1年ですが、1年毎の延長が認められます。
2.ピアレビュー委員会の役割
ピアレビュー委員会は主として次の役割を担います。
(1) 日化協LRIが適正に進められるよう実施過程全般について助言します。
(2) LRIとして取り上げるべき適切な研究分野について助言します。
(3) 日化協研究白書について助言します。
(4) 企画・管理パネル(PMP)が作成した研究募集要項案を検討・評価します。
(5) 募集に応じて各研究機関から出された研究応募を検討・評価し、採択決定の際に役立つ助言をします。

(6)

採択され、LRIとして実施された研究の成果を評価します。
3.担当研究分野
内分泌かく乱物質 安田・岩松・押村・田辺
化学発がん 福島・押村・妹尾・入村・田辺
過敏症 成内・入村・田辺
全般 全委員 (順不同、敬称略)
4.第1回ピアレビュー委員会開催
第1回LRIピアレビュー委員会は2000年3月18日日化協会議室で開催され、
8名の委員およびLSC、 PMPのメンバーが出席しました(3頁参照)。
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小野-嘉夫(おの・よしお)
大学評価・学位授与機構
学位審査研究部 教授(工学博士)
東京工業大学名誉教授
1967年東京工業大学大学院博士課程終了。
専門分野:応用化学(とくに、触媒化学)。
触媒学会会長、ゼオライト学会会長、日本化学会理事、International Association of Zeolites評議員等を歴任。Catalysis Surveys from Japan編集委員。
日本化学会学術賞、触媒学会学会賞を受賞。
岩松-鷹司(いわまつ・たかし)
愛知教育大学
総合理学生命科学領域-教授
(理学博士)

1938年高知県生まれ。1966年名古屋大学大学院理学研究科博士課程終了。
1978年愛知教育大学教授になり、現在に至る。
渡米1968〜1975年「哺乳類の対外受精」を研究。
1993年日本動物学会論文賞受賞。
現在、魚類の性分化、卵軸決定、受精の研究中。日本動物学会、日本発生生物学会、日本生殖生物学会の会員、現在日本動物学会中部支部長。
著書:「メダカ学全書」(大学教育教育出版)、「受精の生物学」(岩波書店)、「脊椎動物の発生」(岩波書店)、「新生理学大系21」(医学書院)など他多数分担執筆。

趣味:蝶の翅を用いた絵画の製作、彫刻

押村-光雄(おしむら・みつお)
鳥取大学-医学部
生命科学科学科長 細胞工学講座 教授
(理学博士)

1971年島根大学文理学部を卒業し、北海道大学理学部付属動物染色体研究施設において細胞遺伝学を学んだ。その後ニューヨーク州立ロズウェルパーク癌研究所、東京医科歯科大学難治疾患研究所、米国環境保健科学研究所、神奈川県立がんセンター臨床研究所を経て1990年より鳥取大学医学部教授、現在に至る。日本癌学会評議員・編集委員、日本人類遺伝学会評議員・編集委員。
1993年「がん抑制遺伝子に関する研究」で高松宮妃癌研究基金学術賞受賞、1998年「ヒト抗体を産生するマウスを可能にした染色体断片導入技術」で日経BP技術賞を受賞。

趣味:釣り、オペラ・クラッシク音楽鑑賞、学生との飲み語らい

妹尾-昌治(せのお・まさはる)
岡山大学-工学部
生物機能工学科 助教授
(工学博士)

1981年に大阪大学基礎工学部を卒業し、1991年より現職。
1995〜96年米国国立癌研究所客員研究員。
専門は「生物工学」で、サイバネティックスが与える概念と現代生物科学が明らかにしていく生命現象の妙とに調和を求めて、主に細胞増殖因子を中心に「細胞の増殖・分化と癌」および「癌のターゲッティング」の研究を行っています。

趣味:音楽鑑賞(特にジャズ)たまにテナーサックスを吹いてみたりしますがこれはただの自己満足。

成内-秀雄(なりうち・ひでお)
東京大学名誉教授
(医学博士)
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1966年東京大学医学部医学科卒、同大学院博士課程にて免疫学の研究をはじめ、1974年から2年間米国NIHに留学して老化に伴う免疫反応低下機構の研究を行った。
以後、細胞生物学的観点から免疫機構の研究を行い、東京大学医科学研究所生物製剤試験製造施設助教授を経て、昭和58年同研究所アレルギー学研究部教授に就任。
現在主としてTh1細胞の活性化機構について、細胞生物学、分子生物学的研究を行っている。

趣味:ゴルフ、海釣り(ただし、どちらも下手の横好きです。)

福島-昭治(ふくしま・しょうじ)
大阪市立大学大学院-医学研究科
都市環境病理学講座教授
(医学博士)
1967年名古屋市立大学医学部を卒業し、1年間のインターンの後、
1968年同大学医学部第一病理学教室助手、
1974年名古屋保健衛生大学衛生学部病理学教室講師、
1977年マサチューセッツ大学医学部病理学教室留学、
1980年名古屋市立大学医学部第一病理学教室助教授を経て、
1990年大阪市立大学医学部第一病理学教室教授となり現在に至る。
研究領域は化学発がん、発がんリスク評価、がんの化学予防および毒性病理である。
現在、Cancer Letters, Japanese Journal of Cancer Research, Pathology International, Journal of Toxicologic Pathology, Journal of Toxicological Sciencesおよび日本食品化学会雑誌編集委員
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入村-達郎(いりむら・たつろう)
東京大学大学院-薬学系研究科
生体異物学教室教授(薬学博士)
1949年神奈川県生まれ。東京大学薬学部卒業、東京大学大学院薬学系研究科博士課程中退。
1977年薬学博士。1974年から1980年まで東京大学薬学部助手、1980年カリフォルニア大学アーバイン校博士研究員、1980年テキサス大学M.D.アンダーソン癌センタ−助教授、1988年同準教授、1991年東京大学教授に就任。
専門領域は、腫瘍学、免疫学、生化学。
現在の主な研究対象は、がん微少転移の診断法と治療法の開発、抗原提示細胞を中心とする免疫学、ムチン(糖鎖提示分子)とレクチン(糖鎖認識分子)のグライコミックスなど。

田辺-功(たなべ・いさお)
朝日新聞編集委員
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1944年生まれ。1968年東京大学工学部航空学科を卒業し、朝日新聞入社。
大阪本社学芸部では食品添加物やPCBなどの化学物質、東京本社科学部では発がん物質も取材した。その時期も通じ、臨床医学、臨床に近い基礎医学、医療制度の報道・評論が最も多い。
主な著書は「漢方薬は効くか」(朝日文庫)「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)、共著は「脳ドック」「医を語る」「遺伝子の地図帳」(西村書店)など。

趣味:ニュースの発掘が一番。旅行、読書、鉱物採取

安田-峯生(やすだ・みねお)
広島大学 医学部 解剖学第一講座 教授
(医学博士)

1962年京都大学医学部卒、1972年より現職。
1973〜74年カナダ国ブリティッシュ・コロンビア大学医学部医用遺伝学教室客員研究員。
専門分野:解剖学・発生学。
顔面、四肢、中枢神経系の正常および異常発生について追求している間に、化学物質の発生・生殖毒性についても検索している。

趣味:フルート演奏、スキー

ピアレビュー委員(8名)、LSC委員、PMP委員、オブザーバー、事務局合わせて20名が出席し、日化協会議室で午後1時から4時30分まで開催された。
(1) ピアレビュー委員を含む出席者の自己紹介に引き続き下記を説明し、各委員の了解を得た。
LRI研究を実施する目的、ICCA−LRIの経緯、ICCAの組織とLRI推進、日化協のLRI体制、LRI研究の企画から委託までのフロー、ピアレビュー委員会の役割、化学産業界として行うべき安全性研究への助言、研究課題提案書(案)および研究監査要領のレビュー
(2) 今年度研究募集要項(案)については、概要を説明し詳細は各PMPが担当委員と詰めることになった。
(3) 小野委員を全員一致でピアレビュー委員会委員長に選出し、各委員の担当研究分野を決定した。(1頁参照)
(4) 当日の議論の中で下記のコメント及び議論があった。
研究課題提案書(案)の紹介では、研究者の実績及び業績も記載してもらう必要がある。
大学の研究をサポートするのか、それとも委託契約をするのか。(委託契約を結ぶ予定である。)
大学での研究ではGLP準拠は難しいので考え方を整理する必要がある。(産業界は、LRI研究に真剣に取り組んでおり、研究監査を通じてデータ の質を確保したい。)
ピアレビュー委員会での議論については、LRIニュースなどで率直に公開することでその場の雰囲気が伝わる。
委託研究の場合の秘密保持及び特許などの研究成果の取り扱いについて、若干の議論を行った。
第1回LRIピアレビュー委員会
(2000年3月18日、社団法人 日本化学工業協会 会議室)

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日米欧各極におけるLRIの進捗状況の確認及び各研究分野毎の研究テーマの擦り合わせを目的としてCMAから18名、CEFICから4名、Chemical Industry Institute of Toxicology(CIIT)から9名、日本から12名が出席し、ヒト健康影響についてのTechnical Implementation Panels(技術的内容を検討するためのパネル)会議がCIIT/Research Triangle Park, North Carolinaで開催された。

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1)全体会議
(1) 日米欧3極のLRI体制が紹介され、問題点を探った。
CEFICでは、LRIの研究テーマ設定、RfPの作成、選別、研究監査、外部専門家の選定などをECETOCが8名のスタッフで担当している。
CMAでは、TIP毎に外部専門家を置いている。
(2) 今後の検討すべき課題
日化協からの知的財産権の扱いについての問題提起により小委員会を設 け検討することになった。
研究の重複を避けるための情報交換について、ガイドラインおよび連絡者リストを作成することになった。
研究白書は、各研究分野毎に状況に合わせて追加訂正することになった。

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2)小グループ会議
(1) Cancer/Molecular Biology、Reproductive/Developmental/Endocrine、Other Human Health(Neuro./Immuno./Resp.)およびExposure/Risk Assessmentの4グループに分かれて各RfPsについて紹介を行った。
(2) Cancer/Molecular Biologyでは、日化協より日米欧協力によるcDNA Microarray技術の確立が、CMAよりChemical Industry Center for Genomic Biology設立の提案が行われ、本年秋にworkshopを開催する予定である。
(3) 今後のエンドクリン研究として、human health effect、wild life effect、mechanism study、risk assessmentが提案され合意された。本年9月にworkshopを開催予定である。
(4) Other Human Healthでは、神経毒性の重要性が確認され、過敏症及び呼吸器毒性の問題点につき共通認識を行った。
(5) Exposure/Risk Assessmentでは、日化協よりChemPHESA21によるリスクアセスメント評価システムを紹介した。

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3)今後のスケジュール
(1) 第3回ICCA/LRI−TIPs会議(ヒト健康影響)は2001年5月に日本で開催予定。

ICCA/LRI−TIPs会議
(2000年3月27,28日、CIIT / Research Triangle Park
/ North Carolina)
(2) 第4回ICCA/LRI−TIPs会議(ヒト健康影響)はシンポジウムと合わせて2002年5月に欧州で開催予定。

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