第14条 化学安全報告書およびリスク軽減措置の適用および推奨義務
  1. 指令98/24/ECの第4条を侵害せずに、1つの登録者当たり年間10トン以上で、本章に基づく登録の対象になるあらゆる物質について、化学安全評価を行い、化学安全報告書を作成しなければならない。化学安全報告書は、物質そのもの、調剤(混合物)に含まれる物質、物品に含まれる物質または物質のグループのいずれかについて、第2項から第7項までおよび附属書Iに従って実施する化学安全評価を文書化したものとする。
  2. 調剤(混合物)に含まれる物質の濃度が以下の値の最小値を下回る場合には、調剤(混合物)に含まれる物質について、第1項に基づく化学安全評価を行う必要はない:
    1. 指令1999/45/EC の第3 条(3)の表に定められた適用のある濃度;
    2. 指令67/548/EEC の附属書I で与えられた濃度限界値;
    3. 指令1999/45/EC の附属書II のパートB で与えられた濃度限界値;
    4. 指令1999/45/EC の附属書III のパートB で与えられた濃度限界値。
    5. 本規則の第XI 篇に基づいて設定された分類と表示のインベントリーの合意記載項目で与えられた濃度限界値;
    6. 物質が本規則の附属書XIII の基準に適合する場合には重量比(w/w)0.1%。
  3. 物質の化学安全評価は、以下のステップを含む:
    1. 人健康有害性評価;
    2. 物理化学的有害性評価;
    3. 環境有害性評価;
    4. 難分解性、生物蓄積性および毒性(PBT)および極めて難分解性で高い生物蓄積性(vPvB)に関する評価。
  4. 第3項のステップ(a)から(d)までを実施した結果、物質が指令67/548/EEC に基づく危険性の分類基準に適合していること、またはPBT またはvPvBであると評価されることについてを登録者が結論を出す場合には、化学安全評価は以下の追加のステップを含まなければならない:
    1. 暴露シナリオの作成(または必要に応じて、関連する用途・取扱/使用区分と、暴露区分の特定)と暴露推定を含む暴露評価;
    2. リスクの評価。
  5. 暴露シナリオ(必要に応じて、用途・取扱/使用区分と、暴露区分)、暴露評価およびリスク評価は、登録者のすべての特定されたあらゆる用途・取扱/使用に対応しなければならない。
  6. 化学安全報告書は、以下の最終用途・取扱/使用による人の健康リスクを考慮に含む必要はない:
    1. 食品と接触を起こす事が意図される材料および物品に係る2004 年10 月27 日付け欧州議会および理事会規則(EC) No1935/200438の適用を受ける食品接触材料;
    2. 指令76/768/EEC の適用を受ける化粧品。
  7. どのような登録者も、化学安全評価において特定されるリスクを十分に管理するための適切な措置を特定し、適用し、必要に応じて、第31条に従って提出する安全性データシートにおいてそれらを推奨しなければならない。
  8. 化学安全評価の実施を要求されるあらゆる登録者は、その化学安全報告書を利用可能なものとし、最新の状態に維持しなければならない。

  1. 欧州官報L338, 13.11.2004,p.4.