川下への情報提供

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川下への情報提供

更新日 2011-07-01 | 作成日 2007-12-07

川下への情報提供






川下への情報提供

物質または調剤の提供者はその物質が一定の危険有害性の基準に該当する場合、安全性データシート(SDS)を受領者に提供する義務があり[ 第31条 .1]、その提供は2007年6月1日以降、遅くとも最初の出荷時までに紙面または電子データにて提供されることとなっています[ 第31条 .8]。また、変更があったときには提供者は遅滞なくSDSを更新し、12ヶ月以内に受領者全員に提供しなければなりません[A31.9]。
さらに、サプライチェーン中のいかなる行為者も、10t/年以上の物質について暴露シナリオを作成し、SDSの付録につけなくてはなりません[ 第31条 .7]。

SDSが要求されない物質の場合には、SDSの提供は必要ありませんが、受領者へのその他次のような情報伝達の義務があります。登録番号、認可・制限の適用についての情報、リスク管理対策が可能となるためのあらゆる利用可能な情報です[ 第32条 .1]。 この場合も、その提供は紙面または電子データにて提供されることとなっています[ 第32条 .2]。また、変更があったときには提供者は遅滞なくSDSを更新し、12ヶ月以内に受領者全員に提供しなければなりません[ 第32条 .3]。

物品の供給者には、別の義務があります。高懸念物質(SVHC)として候補リストに該当する物質を0.1重量%を超える濃度で含有する物品については、供給者は受領者に対して、その物品が安全に使用できるために、その物質の名称を含む情報を提供しなければならないことになっています[ 第33条 .1]。 また、消費者からの要求があった場合には、その物品が安全に使用できるために、その物質の名称を含む情報を提供しなければならないことになっています[ 第33条 .2]。注意すべきは、消費者からの要求に対しては、無料で、その要求があった日から45日以内に提供しなければならないことです[ 第33条 .2]。

関連条項
第7条 物品製造業者および輸入者による 物品中のSVHC物質に関する届出
第31条 安全性データシートに対する要件
第32条 SDSが要求されない場合の物質自身あるいは調剤中の物質に関するサプライチェーン川下への情報伝達義務
第33条 物品中の物質に関する情報伝達の義務
第62条 認可の申請
第66条 川下ユーザによるECHAへの認可物質使用届出

サプライチェーン中のいかなる行為者も、その上流の隣接する行為者または流通者に、その物質の有害な性質に関する新しい情報、およびSDS記載のリスク管理措置の妥当性に疑問を起こすかもしれない情報について、伝達する必要があります。流通業者の場合はこの情報をさらに上流に伝達する必要があります[ 第34条 ]。

作業員はその作業中に使用する化学物質や調剤に関するSDS情報を雇用者から入手する権利があります[ 第35条 ]。

物質あるいは調剤に関する全ての情報は、最後に製造・輸入・供給または使用の後、少なくとも10年間は利用可能としておく必要があります[ 第36条 .1]。

認可対象物質とその対応について

2008-10-03 作成 | 2008-10-15改訂

REACHにおける届出と情報伝達に係るSVHC(Substance of Very High Concern)の理解について混乱があるようです。
そのために日化協として、認可対象物質とその対応およびSVHCについて簡潔に整理しましたのでご参照ください。

認可対象物質とその対応について(SVHCとは何か?等)

画像をクリックするとコンテンツ[PDF 264KB]が表示されます。

⑤川下への情報提供

  1. 危険有害性*のあるもの等は、安全性データシート(SDS)を川下ユーザへ提供する義務があり、一定量以上のものはSDSに暴露に関する情報を追加しなければなりません。
  2. また、物品中の含有成分については、消費者から要求があれば、SVHCについてその情報を提供しなければなりません。

* 危険有害性: 指令67/548/EECに定められた基準に基づく。