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2020年 日本化学工業協会会長 年頭所感

会長

 

一般社団法人 日本化学工業協会

会   長   淡 輪  敏

 

2020年 日本化学工業協会会長 年頭所感

 

 

 

 

年の初めにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

まず昨年は、旭化成名誉フェローの吉野彰様がノーベル化学賞を受賞されるという、大変喜ばしい出来事がありました。企業での研究成果が認められ、受賞に至ったことは、日本の化学産業界にとって大きな誇りと感じております。
一方で、様々な課題にも直面しつつあります。
事業環境としては非常に厳しい一年でした。米中貿易摩擦を発端として世界経済・貿易に対する不透明感が高まる中、石化・基礎化学品を中心に、需要低迷や市況下落の影響が顕在化ました。今後事業環境がどのように推移するかを予測することは困難ですが、事業環境の変化に臨機応変に対応していけるように、技術力、イノベーション力の向上が不可欠であると考えております。
また、持続可能性への懸念も高まっています。地球温暖化ガス削減に関して、我が国の化学産業としてもしっかりと対応していくことが不可欠と考えます。従来から「低炭素社会実行計画」を通じて、着実にCO2削減に取り組んできましたが、パリ協定における日本の削減目標を達成するため、昨年からはBAU目標に加えて絶対量目標を掲げて、その削減に取り組んでおります。
持続可能性へのもう一つの懸念として、プラスチックごみ問題が化学産業にとって喫緊の課題となっています。化学産業のイニシアチブで立ち上げたJaIMEの活動を通じて、プラスチックのリサイクル、有効活用においてはライフサイクル視点での評価の重要性を発信するとともに、本年2月にはアジア新興国のプラスチック廃棄物管理向上のための研修を実施する計画です。また、JaIMEの活動に加え、ケミカルリサイクルにしっかり取り組むことが必要であり、協会として対応をしてまいります。
更に、循環経済を確立する動きもまた活発になっています。化学品管理の国際枠組みは、2002年の持続可能開発の世界首脳会議で2020年目標が提唱され、それを受けて2006年にSAICM(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ)が採択されました。その目標年次が本年であり、本年は2020年以降の新たな枠組みが採択される大変重要な年となっております。新たな枠組みでは、従来の化学品管理に加えて、廃棄物を含めた製品中に含まれる化学物質の適正管理も織り込まれる見込みです。この枠組みを実効あるものとするため、日本の化学産業として、レスポンシブルケアの倫理に基づいてしっかり対応していきたいと考えています。

本年も、私たち化学産業は、技術力を礎に、経済社会・ユーザーの抱える潜在的な課題に対する解決策を提案するソリューションプロバイダーとして新たな付加価値を創り出し、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。

以上