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会長就任挨拶

会長

 

一般社団法人 日本化学工業協会

会   長   淡 輪  敏

 

2018年度 定時総会 会長就任挨拶

 

 

 

 

現在、世界は劇的な変化に直面しております。IoT、AI、EC の爆発的な発展に伴う社会インフラの変化を受け、たとえば自動車産業は、100年に一度の大変革期を迎えているともいわれております。一方で、地球温暖化、そして昨今特にヨーロッパを中心に話題に上がっております海洋ゴミ、マイクロプラスチックといった環境問題、資源・エネルギー問題、食糧問題や貧困問題など、持続可能な社会の実現を脅かす多くの社会課題が発生しております。

化学産業は、こういった社会課題の解決を通じて、持続可能な社会の実現に貢献できる無限のポテンシャルを秘めていると強く信じております。そのようなポテンシャルを示し、化学産業のプレゼンス向上に貢献するため、次のようなポイントで日化協の活動を進めてまいります。

 

1.「操業および製品にかかわる安全の強化」

化学産業は化学品の開発・製造から使用・消費・リサイクル・廃棄に至る全てのライフサイクルにおいて、環境・健康・安全を確保することが強く求められます。特に、操業面での保安・安全の確保は最重要のテーマです。残念ながら近年も深刻な事故が発生している状況は変わっておらず、継続的な取り組みが必要であると考えます。「環境・健康・安全に関する日本化学工業協会基本方針」のもと、「安全確保の取組みが新たな価値を生み出していく」という一歩踏み込んだ視点を継承し、各種取り組みを実施してまいります。

製品にかかわる安全確保の取り組みについては、持続的発展に向けたリスクベースの化学品管理の普及及び促進を継続してまいります。

 

2.「新たな価値の創造と持続可能な社会の構築への貢献」

化学産業はこれまでも革新的な素材や技術を通じて、様々な産業に新たな価値を提供し、その成長を支えてきました。今後は、新たな価値の創造によって幅広い産業の成長を支えていくことに加え、持続可能な社会の構築に貢献することが化学産業の使命であると考えます。

新たな価値の創造につきましては、低炭素社会、炭素循環への対応技術掘り起しや、「日化協 技術賞」の継続等を通し、革新的で優れた科学技術や製品の創出を促進してまいります。また、新たな価値を生み出すベースとして、国際的な事業環境のイコールフッティングを目指し、関税、アンチダンピング等各種の通商課題や化学品管理に係る規制の国際整合性といった課題に関し、行政当局等関係機関に継続して意見具申を行ってまいります。

持続可能な社会の構築への貢献につきましては、国連で採択されました SDGs に具体的にどう取り組んでいくかがポイントになると考えております。会員企業が取り組んでおられる活動が世の中に発信されプレゼンスが向上するよう、活動事例集の作成を通じ、化学産業が社会課題へのソリューションプロバイダーであることを発信致します。

また、近年非常に大きな話題となっております、海洋ゴミ、マイクロプラスチック問題につきましては、実際の数量等いろいろなファクトが非常に曖昧なまま、課題だけが大きく取りざたされているという認識です。現在、5団体で協議会を立ち上げる準備を進めており、その中でいろいろなファクトや対応方針を決定し、ICCA 等に対し日本の立場や考えを発信してまいります。

 

3.「社会とのコミュニケーション強化」

社会とのコミュニケーションは RC 活動の重要な取組みの一つとして位置づけられており、化学産業のプレゼンス向上を図る上でも、世の中の多くの方たちに対し、化学産業の重要性とポテンシャルの大きさについて、正しい理解を促すことが重要だと思っております。今後も、幅広い機会を捉えて社会とのコミュニケーションを強化していきたいと思っております。

具体的には、引き続き「RC 委員会による対話WG活動」、「日化協のアニュアルレポート」の発行や「夢・化学-21」事業の活動等を通じ、化学産業の取り組みと成果を発信していきたいと思っております。

 

我々は、より便利でより快適に、という人類の本質的な欲求を満たしつつ、一方で持続可能な社会を実現するという、時として相反する課題に直面しております。課題を同時に解決することは簡単なことではなく、様々な知恵やイノベーションが必要となりますが、化学の持つ無限のポテンシャルを示すチャンスでもあると思います。化学の力なくしてこの課題は解決できないことでしょう。

化学産業が持つ無限のポテンシャルを最大限に発揮できるよう、会長として協会をリードしていきたいと思っております。皆様のご支援を賜りたく、どうぞよろしくお願いいたします。

以上