会員ページログイン

現在地

日本化学工業協会 会長挨拶

会長

 

 

 

 

一般社団法人 日本化学工業協会

会      長  森 川  宏 平

 

 

 

 

 

  2020年5月、会長に就任しました森川です。就任にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

  世界的な分断や紛争、気候変動、食糧危機などの社会問題による不透明感の中で迎えた2020年は、新型コロナウイルス感染が拡大・長期化し、世界経済へのこれまでにない大きな影響が避けられないと考えられます。コロナ禍においても、健康で快適、便利な生活には、化学産業の生み出す製品・技術が欠かせないことが再認識されたのではないでしょうか。今後も化学産業が、社会に必要とされる製品を安定的に提供し、健全に発展していくためには、「製造時」「製品自体」「使用後」という3つ段階での「安全と環境に対する配慮」をより高め、社会から信頼される取組みを進めていくことが必要です。

これらを確実に行うことが、持続可能な社会の構築と化学産業の発展へとつながると信じ、それぞれに重点テーマを設定して活動を進めてまいります。

 

1. 化学製品製造時の安全と環境に対する配慮

化学製品製造時の安全、すなわち工場の保安・安全の確保と、操業における環境負荷の最小化に継続して努めることは、化学産業が存続するための条件であり、引き続き最重要テーマであることは変わりません。

保安・安全の確保の面では、事故情報から得られる教訓やベストプラクティスなどの共有化を引き続き進めるとともに、設備の老朽化や現場熟練従業員の高齢化などへの対応として、スマート保安への取組み支援などを進めてまいります。

環境負荷の最小化に向けては、グローバルな課題である気候変動対策として、2030年のCO2削減新目標の達成に向け、事業活動におけるGHG削減について、技術的イノベーション促進を含め、低炭素社会実行計画に取組みます。

 

2. 化学製品自体の安全と環境に対する配慮

化学製品自体の安全と環境に対する配慮につきましては、化学品管理を中心として、サプライチェーンをより一層考慮したリスク管理に取り組みます。また、労働安全衛生・物流安全・社会との対話を含むレスポンシブル・ケア活動の推進を重点テーマとして継続いたします。

これまでのグローバル化の急速な進展によって、新たな課題が顕在化する中、業界として、ICCAなど国際会議での活動や、海外業界団体との交流を深めることで、国際連携を強化してまいります。化学製品の有用性・社会的価値など、化学産業が社会課題に対するソリューションプロバイダーであることを発信してまいります。

 

3. 化学製品使用後の安全と環境に対する配慮

化学製品使用後の安全と環境に対する配慮により循環型社会を構築するためには、幅広い利害関係者を含めた社会全体で取組むことが必要な課題です。このような課題に対しても、化学産業として、より踏み込んだ活動を進めるため、海洋プラスチック問題対応協議会JaIMEの活動を発展させていくことを含め、力強く推進いたします。

 廃プラスチック問題への対応としては、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギーリカバリーという処理法がありますが、今後は特に、CO2大気放出を限りなく抑えることが重要になる中で、廃プラスチックを資源と位置付けて有効利用することが求められていくでしょう。中でもケミカルリサイクルは、品質の劣化なく化学材料を得られ、繰り返し利用ができるという優位性において社会的意義が高い一方で、技術的・制度的課題も多く存在します。ケミカルリサイクルを、循環経済確立のための重要・不可欠な取組みとして成立・普及させるための技術開発、社会実装を積極的に推進していく方針です。

 

 新型コロナウイルスへの対応を含め、国際社会は「真の持続可能な社会」を構築するステージに入ってきています。化学産業はそのために重要な役割を担うべきであり、担うことができるはずです。

 そういったポテンシャルを持つ産業であることに責任感と誇りを持ち、化学産業が創出する社会的価値、イノベーション力を正しく発信して、会長として協会を力強くリードしていきたいと思います。皆様のご支援を改めてお願い申し上げます。

以上