化学から地球への報告 社団法人日本化学工業協会
レスポンシブル・ケアって何? 用語解説
HOME 環境保護対策について 安全に対する取り組み 座談会:化学と地球環境の共生

 
 
 
 

 
浜尾 「化学」というと、難しく感じますが、暮らしの中にも化学物質・化学製品があふれています。化学産業の企業ラインナップを見て、食品、化粧品、医薬品、身の回りのすべてに化学産業が関わっていると、初めて気づきました。

瀬田 一口に化学産業といいましても、素材型のものから、医薬品や化粧品などの最終製品まであります。これまで化学産業は、日本の基幹産業をサポートする形でやってきました。IT革命などを支える基盤の技術にも、化学産業が供給する原料・素材が使われています。そういう意味では、世の中の多種多様な産業に、幅広く関与しているといえます。

浜尾 私は以前、たくさんのタイヤが捨てられて自然発火したところに取材に行き、その臭いで、頭痛に悩まされた経験があります。その時、「私たちは、どこまで利便性を追求すれば気が済むのだろうか。きちっと考えなければならないのではないか」と、改めて思ったことがあります。考えてみれば、化学産業というのは、私たちの暮らしを支えて、なおかつ地球環境を守り、そして人々の夢を叶えていかなければならない、たいへんな役割を担っているのですね。

瀬田 化学産業の役割のひとつは、安全なモノを作って提供すること。もうひとつは、世界のニーズに応えるような新しい製品を開発することです。日本の化学産業界は、売上高の5%くらいの研究開発費をかけて、新しい技術や製品をつくり出しています。その基本となるのは、GSC(グリーン・サステイナブル・ケミストリー)、すなわち人の健康や環境安全に配慮した新しい化学及び化学技術の理念です。

岩本 2001年に野依良治先生がノーベル化学賞を受賞された時の記念講演で、「化学は価値創造の主体である。化学は美しく、面白く、そして人類に貢献する」という話をされました。同時に科学技術、そして化学産業は正義でなければならない」とおっしゃっています。これは、まさにGSCのことで、私どもにとって、とても味わい深く、かつ重い言葉だと思っています。確かに化学は、いろいろな面で価値を創造し役に立っていますが、公害や一歩間違うと化学兵器の応用分野もあります。正義の味方だという気持ちで事業活動を進めていくことが大切です。

浜尾 いま、地球環境と共生していこうという取り組みが、産業界全体、国際レベルで考えられています。日本では90年代の前半、環境問題が特に話題になりましたが、その頃と比べて、環境に対する状況というのは、よい方向へ変わってきているのでしょうか。

瀬田 そのきっかけは、92年の環境サミットです。世界中の国々が、化学物質をきちっと安全に取り扱っていく。毒性が分かってないものは調べていく。広域で動くときに、きちんと判断できるようにラベリングしていく。このような取り組みが行動計画に盛り込まれ、それに向けて、世界の化学工業が努力しているところです。

岩本 日本の化学産業も、自主管理で責任を持って化学物質の開発・生産から使用・廃棄までの全ライフサイクルの環境安全を確保しようと、「レスポンシブル・ケア」という活動を始めています。環境や安全への取り組みが、企業価値を判断する上での、大きなウエートを占めるようになってきています。
 
 


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