「環境・健康・安全に関する日本化学工業協会基本方針」を制定
「環境・安全に関する日本化学工業協会基本方針」はこれまで、2005年に「RC世界憲章」が制定された際に一度改定を行いました。しかし、2014年に「RC世界憲章」がこれまでの“倫理概念”を主としたものから、より具体的な“行動戦略”を主としたものに改定されたこと、また、前回の基本方針の改定から10年が経過し、社会的な環境の変化が生じる中、健康という視点からの化学品管理の強化や社会の持続的発展への貢献の重要性を踏まえたキーワードやコンセプトを盛り込むべきといった理由から、当該基本方針を見直し、2016年12月16日に開かれた日化協理事会の承認を経て、新たに「環境・健康・安全に関する日本化学工業協会基本方針」として制定しました。
新しい基本方針は、経営層自らが積極的に関与すること、ライフサイクル全体において環境・健康・安全を確保することをより一層推進していくことをめざしています。
「環境・健康・安全に関する日本化学工業協会基本方針」2016年12月16日制定
化学品の製造・販売・流通等に関わる企業は、そのライフサイクル(化学品の開発・製造から使用・消費・リサイクル・廃棄に至るまで)において、環境・健康・安全を確保し、その取り組みを継続的に改善することによって、人々の生活の質の向上と持続可能な社会の実現に貢献することにより、社会からの信頼の向上に努めねばならない。
この目的達成のため、われわれ日本化学工業協会の会員は、以下の「環境・健康・安全に関する日本化学工業協会基本方針」に従って事業活動を行うものとする。
- 経営層自ら強いリーダーシップを発揮し、国内外での環境・健康・安全の確保に努める。
- 製品の開発から廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたり環境・健康・安全のパフォーマンスや、 施設・プロセス・技術に関わるセキュリティの継続的改善に努め、その成果を社会に公表する。
- 省資源及び省エネルギーを一層推進し、廃棄物の削減及びその有効活用に努める。
- サプライチェーンにわたって化学品の安全性とプロダクト・スチュワードシップの継続的改善を 促進することにより、環境と人々の健康・安全を守る。
- 化学品のライフサイクルにわたる健全な科学に基づくリスクベースの化学品管理の法規策定に 参画し、ベストプラクティスを実践することにより、化学品管理システムを強化する。
- ビジネスパートナーに対し化学品の取り扱いが安全に管理できるよう働きかける。
- 製品及び事業活動が環境・健康・安全に及ぼす影響に関して、行政当局及び市民の関心に留意し、 正しい理解が得られるよう必要な情報を開示し、対話に努める。
- 環境・健康・安全に関する活動に対するステークホルダーの期待に一層応えるため、 地域、国及び世界的規模の対話活動を更に拡大する。
- 革新的技術やその他のソリューションを開発・提供することにより社会の持続的発展に貢献する。