一般社団法人日本化学工業協会
会長 岩田 圭一
新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げますとともに、年頭にあたりご挨拶申し上げます。
世界経済は、米国の関税政策による下押し圧力からは少しずつ持ち直し、国内景気につきましても、為替・金利上昇リスクなど不安材料はあるものの、家計の所得環境の改善、政府の経済対策効果が徐々に顕在化し、当面は底堅く推移することが期待されます。
国内政治の面では、高市政権において、「強い経済」の実現に向けて17の戦略分野での積極的な投資が打ち出されました。また、昨年末に閣議決定された2026年度の税制改正大綱では、研究開発税制の延長や、設備投資促進税制の創設など、イノベーションと投資・賃金の好循環の実現に向けた税制措置が認められました。化学産業は、「AI・半導体」や「資源・エネルギー安全保障・GX」、「マテリアル」等、多くの戦略分野において、素材を通じたソリューションプロバイダーとしての期待に応え続けていくことが求められています。各社の構造改革、事業再構築に向けた取り組みを着実に進め、業界の競争力強化、日本経済のさらなる成長へとつなげてまいりたいと考えております。
さて、GXの市場創造に関し、「排出量取引制度」がいよいよ本年4月から本格導入されます。昨年、弊協会では、GXを前向きな成長戦略の機会として捉え、化学産業が進むべきロードマップとして、「カーボンニュートラル、循環型社会の実現に向けた日本の化学産業のスタンス」を公表いたしました。我々は、社会変革を牽引するソリューションプロバイダー役の産業として、次世代技術の開発そして社会実装を進めるべく、行政とも連携しながら取り組みを一層加速してまいります。
また、世界的な動きでは、プラスチック汚染終結のための国際条約の合意に向けた政府間交渉委員会(INC)の再開会合、また、11月には化学物質管理に関するグローバル枠組みであるGFC(Global Framework on Chemicals)の第1回国際会議が開催される予定です。弊協会としましては、こうした動きに対し、国際化学工業協会協議会(ICCA)のメンバーとして議論に参画し、会員企業の要望も踏まえた意見具申を行うなど、日本の化学産業の競争力維持・向上に資するために、国際社会の中で建設的に関わっていきたいと考えております。
そして、「安全」と「コンプライアンス」は、申し上げるまでもなく、化学産業が存続するための基盤、大前提です。今年もレスポンシブル・ケア活動の支援をはじめとする各種取り組みを着実に実施してまいります。
本年も、化学業界のさらなる発展と、関係各位の益々のご活躍とご健勝を祈念いたしますとともに、弊協会の活動・運営にこれまでと変わらぬご理解・ご協力を賜りますことをお願い申し上げます。
