一般社団法人日本化学工業協会(住所:東京都中央区、会長:橋本修(三井化学㈱代表取締役会長)、以下「日化協」)は、研究者奨励および育成の一環として、“化学物質が人の健康や環境に与える影響”に関する優れた業績をあげた研究者を表彰するため、日本動物実験代替法学会(理事長:酒井康行、以下「JSAAE」)内に設立した日化協LRI賞※1の第11回目の受賞者を決定いたしました。
※1 Long-range Research Initiative = 長期自主研究活動
[受賞者]
前田 和哉(まえだ かずや)
北里大学薬学部 薬剤学教室・教授
[テーマ]
Development of the serotonin release assay with enterochromaffin cell-rich human intestinal organoids for the risk evaluation of drug-induced emesis
[邦題]
薬物誘発性悪心・嘔吐リスクの評価を目的とした腸クロマフィン細胞を豊富に含むヒト腸管オルガノイドを用いたセロトニン放出評価系の開発
[受賞理由]
受賞者は、従来大動物での評価が必須であった薬物誘発性の末梢性悪心・嘔吐リスクを、ヒト小腸幹細胞由来の新規in vitro実験系により高精度に予測・評価する独創的な動物実験代替法を開発されました。本成果は、米国毒性学会誌(Toxicological Sciences)のTox Spotlightに選出される等、国内外で高く評価されています。この研究は、化学物質のヒトへの有害事象を種差の壁を越えて予測・評価するものであり、化学物質がヒトの健康に与える影響の評価手法向上を目指すLRIの趣旨に合致します。学会活動を通じた代替法普及への貢献も大きく、今後の本分野における益々の活躍が期待される研究者です。
なお、授賞式は、11月13日(金)~11月15日(日)にアクリエ姫路で開催される日本動物実験代替法学会 第39回大会にて執り行われます。
LRIは、国際化学工業協会協議会(ICCA)に加盟している欧州化学工業連盟、米国化学工業協会および日化協の3つの団体によって1999年から運営されているグローバルプログラムで、化学物質の安全性の向上と不確実性の低減を目的として、“化学物質が人の健康や環境に与える影響”に関する研究を長期的に支援する自主活動です。日化協は、2000年からLRIを通じた研究支援を行っています。「日化協 LRI賞」は、LRIの認知拡大および理解促進を図るとともに、同分野の優れた若手の研究者および世界をリードするような新しい研究分野を発掘することを目指して2015年に設立されました。JSAAEウェブサイトで公募を行い、JSAAE内学術委員会の厳正なる審査を経て、日化協LRI賞へ推薦された候補者を日化協が承認し、受賞者が決定されます。
